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野球肩・投球障害肩 2

2019/01/18

今回は、野球肩・投球障害肩の代表的ないくつかの疾患についてご紹介していきます。

 

(1)腱板疎部損傷

投球動作やテニスのサーブあるいはバレーボールのアタックのようなオーバーヘッドアクションでは、急激に外旋から内旋へと移行するために、腱板間の運動を緩衝する働きのある腱板疎部に強いストレスが加わります。また、上腕骨骨頭も前方へ変位するため腱板疎部の傷害を生じやすいです。外転外旋時や挙上時の疼痛があり、腱板疎部に圧痛や疼痛が認められます。

 

 

(2)腱板炎、肩峰下滑液包炎、インピジメント症候群

オーバーユース(使い過ぎ)などで肩腱板に炎症が生じて、痛みと運動制限が生じた状態です。投球動作や肩を挙上する動作において、肩峰下面や烏口肩峰靭帯と腱板との間で衝突を生じてその結果、腱板や肩峰下滑液包炎が起こります。また、オーバーユースや機能的な不安定性(動作時の不安定性のこと)が生じた結果、腱板炎や滑液包炎が起こり、正常では腱板がスムーズに通過するべき肩峰下面や烏口肩峰靭帯の下で衝突が起こるという考え方もあります。

(3)スポーツによる腱板断裂

スポーツ傷害の場合には、不全断裂や縦断裂といった、通常では少ない断裂の形をとることが特徴です。投球時には腱板が収縮しながら伸張されるといった遠心性収縮が働くためと、腱板疎部損傷を合併すると、投球動作中の不安定性により、棘下筋腱(腱板)に大きなストレスが加わるためです。また、バレーボールのアタック動作やテニスのサーブなどでは、急激な力が上腕骨骨頭の後上方に加わるため棘上筋腱と棘下筋腱の間に縦方向の断裂が生じます。加えて投球動作時に関節窩と棘上筋腱が衝突して断裂を生じるという報告もされています。多くの場合には、棘下筋や棘上筋の筋委縮が出現します。

(4)関節唇損傷、スラップリージョン

関節唇は関節窩の全周に付着し、関節包と関節窩とをつなぐ線維性軟骨であり、投球動作による繰り返しのストレスにより、肩関節の上方の関節唇(上腕二頭筋長頭腱付着部)が剥離、断裂します。投球動作のコッキング期後期に外転、外旋を強制されて生じやすいとされていますが、リリース期やフォロースルー期での痛みの発生報告もあり、また上腕二頭筋長頭腱の牽引による原因もあります。

(5)リトルリーガーショルダー

10~15歳の少年野球の投手に多くみられる上腕骨近位の骨端成長軟骨板の炎症ないし成長期の少年に繰り返される投球動作による上腕骨近位骨端線離開(疲労骨折)です。初期は骨端線の拡大、不整ですが、進行すると骨端が内・後方に滑り出し内反変形を残すこともあります。治療後、2~3週間後に化骨形成を見ることもあります。